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第57章 クリスマス・イヴ

彼女を誰よりも大事にするんだと誓って、やっとこれからって時だった。
ようやく、だった。
始まったばかりなのに。
なのに。
もう、終わり？
やだ。
嫌だ。
もう終わりだなんて、言わないで－…。
いつの間にか。
どちらからともなく。
止まる、ふたりの、足。
往来する人達の邪魔にならぬよう、陸は華夜子の手を引き、歩道の端へ移動する。
「…言い訳にしか聞こえないかもしれないけど」
白い雪の積もったアスファルトに視線を落とし、華夜子は呟く。
陸は、彼女の語るひとことだって聞き逃さぬよう、必死に耳を傾ける。