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蕩けるようなキスをして
第56章 誰でもない
いくらなんでもそれはないだろうと思う。
確かに約束はないものとなったけれど。
でも。
この日。
この場所に。
自分ではない誰かと。
まさか来たりはしないだろう。
もし自分が逆の立場だったのなら-絶対に来ない。
もしもの話。
早くも彼女以外の誰かがいたとしても。
その相手と、かつて付き合っていた彼女との約束の場所には-行かない。
行けない。
それは、彼女だって同じはず-そう、思う。
彼女はそんな事は絶対にしない-思うけど。