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蕩けるようなキスをして
第55章 待ち人来ず
家族連れや高校生のグループなどは、確かに見えなくなってきたが、その代わりのように二人連れ-つまり、恋人同士の姿が目立つようになってきた。
気のせいなんかじゃなく、確かな現実として。
今日この日に、わざわざイルミネーションを見物に来るカップルは、幸せの絶頂にいるに決まっており-自分と相対する二人組と擦れ違う度に、陸は鬱々としてくる。
ただでさえ不幸の底にいるかのような気分なのに、それに輪をかけてくる。
重々しい息が漏れた。
お前ら絶対、これからホテル行くだろ-陸は、胸の中で毒づく。
幸せな恋人達を必要以上に目の当たりにせぬよう、なるべく街路樹の光を見てやり過ごす。
こっちはホテルどころか、まだ逢えてもいないのに-そのあまりの違いに、泣きたくなる。
コートのポケットに両手を突っ込み、冬の夜空を見上げる。
自らの白い息が天に上り、冷気に溶け込み、やがてなくなる。
待ち合わせの時間から、四時間が経った。
タイムリミットまで、あと、三時間。
淡い期待も、そろそろ消える頃。
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