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蕩けるようなキスをして
第54章 待ち合わせ
それとも、友達?
ただの知り合い?
大学でたまに擦れ違うだけの、同じ学部の後輩?
同じ大学なだけの、その他大勢-?
こんなに見た目は派手に装っているけれど、内面は相変わらず脆弱だ。
放って置いたら、いくらでもネガティブな発想をし続けられる-自分を戒めるように、落栗色の前髪をがしがしと掻きむしる。
昨日までに比べたら気温は大分高かったが、それでも一時間外にいれば、すっかり身体は冷えていた。
気分を変える為にも、少しだけ書店の中で暖まろう-陸は店内へ足を踏み入れた。
冬の刺すような冷気漂う戸外から、一気に暖房の効いた場所へ-あんなに寒かったのに、程なく顔は火照ってくる。
コートを羽織った身体は、寒いどころから暑いとさえ感じ始めていたが、どうせすぐまた外に出るつもりだったので、そこは少し我慢しておく。
店内に入り、大通りに面したガラス窓の近くに佇む。
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