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第54章 待ち合わせ

どうかしてると思う。
待っていたって来ないのに。
確実に来ないのが分かるのに。
なのに。
なんで、待つの。
なんの為に待つの。
傷を深く、抉りにいくようなものだ。
きっともっと、何かを伝えたかった。
なのにそれを、自分が途中で切り捨てた。
急かさず、最後まで。
例えどんなに時間がかかろうと。
きちんと聞いてあげれば良かった。
話してくれようとしていた。
彼女は、話そうとしていた。