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蕩けるようなキスをして
第50章 吹雪
行こうね、華夜-再度、訊きたかった。
もう一度、約束を交わしたかった。
もう一度、指を絡めたかった。
全部、出来なかった。
勇気を、出せなかった-。
「…うん」
華夜子は、頷いた。
楽しみだとも。
楽しみじゃないとも。
どちらも、言わなかった。
ただ明明後日(しあさって)が『イヴ』だという事実に対しての、答えのようにとれなくもなく-でも、考え過ぎだとも思え。
陸の頭の中は、酷く混乱する。
何を、思い悩んでいるのか-それは、自分自身に一番、問い掛けたかった。
そんなぐちゃぐちゃな思考を正すように。
陸は開口した。
「…勉強しようか、華夜」
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