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蕩けるようなキスをして
第49章 予感
完全に過去の人間して、もう二度と、思い出しもしないで欲しい-そう、願ってる訳じゃない。
そんな事、実際問題、不可能なのも知っている。
自分が逆の立場だったとしても、きっと、難しい。
別れた奴を。
死んでしまった奴を。
心の片隅にも置いておくなと。
そんな非道な事を言ってるんじゃ、決してない。
たまに思い出して。
たまに懐かしんで。
慰めになるのなら、そうしてもらって構わない。
ふとした瞬間に。
自分じゃない誰かを想ってもいい。
勿論、一番は自分だけど。
勿論、一番はいつだって自分じゃなきゃ嫌だけど。
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