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蕩けるようなキスをして
第49章 予感
陸は思い切って、続ける。
「俺、前に予約してたよな?華夜のこの指に嵌める指輪を、次に贈るのは俺だって-」
陸の真摯な問いに、華夜子の瞳孔が開いた。
「指輪を贈りたいって言ったら…今なら、華夜は受け取ってくれる?」
華夜子の見開かれた瞳に、若干の胸の痛みを感じながらも薄く笑い、陸は続ける。
「イヴの日にさ、逢えるなら、華夜に何かプレゼントしたいなって。…貰ってくれるなら、指輪をあげたい。指輪を、貰って欲しい」
-そう、思って。
情けないけれど。
最後まできちんと彼女の目を見ては-話せなかった。
陸は目の前のテーブルに視線を落とし、口を噤む。
こんな予感は-正直、していなかったと言ったら、嘘になる。
こういう勘は-よく当たる。
自分のものになってくれた彼女だけど-ほんとは、まだまだ不安だった。
それでも勇気を出して、言った。
自分の気のせいを、証明したかったから。
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