パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第48章 束の間の

「…楽しみだな」
陸の漏らした呟きに、華夜子は恥ずかしくてならない。
「だからっ。そんな滅茶苦茶過剰に期待しないで。行くなんて言ってないよっ？」
「分かってるよ。俺が言ってるのは、またここに華夜と一緒に来られると思うと楽しみだなって、そういう意味」
「…なら、いいけど」
華夜子の疑りの目は、まだ完全に晴れていない。
「その後の事は、ほんの少しだけ期待して待ってる。それぐらいはいいだろ？」
陸は華夜子を誘い込むように、見る。
彼の色のあるその表情に、華夜は一瞬で惹き込まれる。
分からない事でも、分かるようになりそうになる。
いいよ－そう、言いたくなってしまう－…。
陸は、彼女に向けて微笑んだ。
「すげー楽しみだな、華夜－」