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第48章 束の間の

いつしか分かるようになっている、自分。
彼の事なら、なんだって、分かる、自分－…。
待っても返事をくれそうにない華夜子に、陸は困ったような笑みを浮べ、
「華夜に行きたいところがあれば、勿論、そこを一番に優先するよ。俺のは単なる希望だから」
どうにか彼女の怒りを解き。
なんとか彼女の声が聞きたくて。
機嫌を直してもらおうと、陸は穏やかに語り掛ける。
「華夜…？」
自分が蒔いた種だし、根気強く－思っていたけれど。
こっちを向く素振りさえ見せない華夜子に、陸は繋いだその手を強引に引き寄せる。
嫌がられるかな－不安を覚えつつも、彼女の肩を抱く。
「華夜と。華夜とふたりで、またここに来たい」
返事が欲しいな－願いつつ。
でも、諦め半分で。