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蕩けるようなキスをして
第48章 束の間の
「ごめん、華夜-」
流石の陸も、華夜子のあまりの暗さに気付くものがあり。
ようやく、謝罪を口にする。
「からかい過ぎた。許して」
「…」
「イヴの日さ。俺また、ここに来たい。…だめかな?」
窺うように、陸が訊いてくる。
「今までも何度か通った事ぐらいはあったけど。こうやって誰かと一緒に歩いて、ゆっくり見るのは今日が初めてだ。こんなに綺麗だなんて、知らなかった。なんか光の海の中にいるような…?上手く説明出来ないけどさ。すげー感動してる」
「…」
「華夜と一緒にいるだけで、まるで違う光景に見える。不思議だな」
彼の顔なんか見てないのに。
なのに。
どれだけ嬉しそうに笑っているか。
どれだけ優しい目を向けてくれているか。
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