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蕩けるようなキスをして
第48章 束の間の
ようやくその唇は自由の身となったが、遥か彼方に飛んでしまった意識が、すぐに戻る訳ではなく。
快感に潤んだ瞳。
紅潮した頬。
彼と触れ合い。
彼と混じり合い。
熱を帯びた唇。
暗闇の中。
金色の、無数のライトに照らされた彼女の表情は-堪らなく色っぽかった。
無意識の内に誘ってくる、華夜子が放つ色香に溺れそうになり。
陸はなるべく自然を装い、彼女の口唇から目を離した。
またしても歩道の真ん中に立ち尽くしてしまった-これ以上他の歩行者の通行の邪魔にならぬよう、陸は華夜子の手を再び掴み、歩き始める。
完全にまだ自分を取り戻していない感のある彼女に、陸は苦笑いして告げた。
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