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蕩けるようなキスをして
第48章 束の間の
「…それは」
「俺、いつまで待ち続ければいいの?華夜」
胸に留まり続ける彼の指が、華夜子を惑わす。
僅かに動かされただけでも、反応してしまう自分を戒めたかったが、どうしようもなかった。
どうにか歩を進めながら、知られぬよう、悩ましげな吐息を逃す。
「…もう止めて。みんなに見られてる」
「こんな夜に、他人の事なんかいちいち見てやしねーよ。自意識過剰なんだよ」
「見てるって。陸は気付いてないだけ…!」
「百歩譲ってそうだったとしても。俺はちっとも構わない」
宣言する陸に、華夜子は困り果てる。
「次はないって言ったろ。三度目はどうなるかって-」
-教えてやったよな?
鼻で嗤われ、華夜子は隣りの陸を恐る恐る見上げる。
「俺らが何してるかなんて、誰も見てなんかいないと思うけど。でも、どうしても気になるって言うのなら、離してもいいよ」
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