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蕩けるようなキスをして
第48章 束の間の
「俺はもう終わりにしようとしてたんだよ?なのに華夜が、ねだってくるからさあ?」
わざとらしく同意を求められるが、当然華夜子は何も言えない。
恥ずかしくって、悔しくって、怒りたいのに-怒れない。
最初こそ警戒していたし、嫌だったのに。
なのに。
彼にすっかり翻弄され、弄ばされ-遂に、吐露してしまったのだ。
『もっと』と-。
彼を欲する自分が、あの時確かに、いた。
そこがどこなのかも忘れ、求めてしまった。
今から思えば、ほんと、有り得ないのだけれども。
「ひとに見られてもお構いなしだったくせに。今更ここで、ひとの目がどうの言うなよ。どこだってもう平気だろ?」
陸のその言葉だけは断じて違うと、言っておかなければならなかった。
「お構いなしだったんじゃないしっ?気付いてなかっただけ。知ってたらそんな恥ずかしい真似する訳ないじゃん!ってか、気付いてたんなら…!」
-教えてよ。
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