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第48章 束の間の

しかし。
強い力で腰を掴まえられ、有無を言わさず彼の胸の方向へ、身体を引き寄せられてしまう。
「何するの…！」
こんな街中で止めて－文句を言おうとすると、陸のご機嫌斜めな顔が、華夜子のすぐ目の前に迫る。
「それはこっちの台詞だよ」
「え？何？」
訳が分からず彼に問うと、面白くなさそうに吐き捨てられる。
「なんかしんねーけど、微妙な表情はされるわ、それを心配すれば、思いっ切り全身で拒否られるわ－」
－俺、なんかした？
冷たい目線を送られ、華夜子ばつが悪そうに、彼から瞳を外す。
「ほら。また、そーやって、俺から目も逸らす」
陸の鋭い指摘に、増々華夜子は進退窮まる。