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make a doll~お嬢様は我が愛玩~
第14章 父の帰国~ベクトルが向かう先~
返事がないままのノックの主に会いに行くべく黒野は戸を開けた。そこには誰もいない。しかしカサリと手紙があった。

「手…紙?」

そうして手に取りベッドに座ると封を開けて読み出した。その時だ、黒野の顔には笑みがあふれていった。

『ゆーとへ…
クリスマスにいっしょにいれないのはさみしいけど、ゆーとのとこにも、サンタさんがきっとくるよ!だいすき。あいら』

「十分幸せだよ…」

そう言いながら深呼吸をしてそのクリスマスの夜は過ぎていった。ついさっきまで寂しくてどうしようもなかった気持ちがこんな手紙1枚で一気に晴れやかになるとは…自分自身でも笑いが起こるところだ。
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