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さくらホテル2012号室
第12章 ほどける

わたしにとってお鮨とは、何ヶ月かに一度、家族で行くひと皿百円均一の回転寿司屋さん(それでもかなり美味しい)と、夫さんの夏のボーナスが出た時に家族の人数分をとる上寿司の出前が全てだった。
家庭を持つまではそれこそ男性に高いお寿司をご馳走してもらったことが何度かはあったものの、お寿司屋さんのカウンターに座って、好みのものを頼むなんてことは、先生とここに来るまでしたことがなかった。
だから最初にこのカウンター(その時はツケ台なんて言葉も知らなかった)に座った時は、先生との行為の後の高揚も手伝って、ほとんど何を食べたか記憶にない。

