この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第28章 第十一話 【螢ヶ原】 其の四

「お彩ちゃん―」
伊勢次がもう一度名を呼ぶ。そのまなざしのあまりの熱さに、お彩は金縛りにあったかのように動けなくなった。が、いきなり抱きすくめられた刹那、ハッと我に返り、悲鳴を上げた。
「いやっ」
突然の予期せぬ出来事にお彩は狼狽え、懸命に抗った。
「伊勢次さん、止めて―」
渾身の力で伊勢次を突き放そうと試みても、伊勢次の力ではビクともしない。
「好きなんだ。お彩ちゃん、もうどうしようもないほど惚れてるんだよ。な、判ってくれよ。俺はもう待てねえ。お彩ちゃんと暮らし始めて、四カ月も我慢してきたんだ。良い加減に俺のものになってくれ」
熱い吐息混じりの声が耳許に囁く。
伊勢次がもう一度名を呼ぶ。そのまなざしのあまりの熱さに、お彩は金縛りにあったかのように動けなくなった。が、いきなり抱きすくめられた刹那、ハッと我に返り、悲鳴を上げた。
「いやっ」
突然の予期せぬ出来事にお彩は狼狽え、懸命に抗った。
「伊勢次さん、止めて―」
渾身の力で伊勢次を突き放そうと試みても、伊勢次の力ではビクともしない。
「好きなんだ。お彩ちゃん、もうどうしようもないほど惚れてるんだよ。な、判ってくれよ。俺はもう待てねえ。お彩ちゃんと暮らし始めて、四カ月も我慢してきたんだ。良い加減に俺のものになってくれ」
熱い吐息混じりの声が耳許に囁く。

