この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第26章 第十一話 【螢ヶ原】 其の弐

まるでお彩の心を見透かすかのような言葉に、お彩はうつむいた。
伊勢次は、昔からこうなのだ。丸顔は、到底二十五になるようには見えないが、見かけによらず勘の鋭い男だ。そして、人の心の機微を推し量ることもできる男でもある。
今のお彩にとって、伊勢次の言葉はありがたかった。
「身体、大切にしろよ。居候してるからなんて妙な気がねなんかせずに、大きな顔をしてれば良いんだ」
「ありがとうございます」
お彩の胸に熱いものが込み上げた。
伊勢次は、昔からこうなのだ。丸顔は、到底二十五になるようには見えないが、見かけによらず勘の鋭い男だ。そして、人の心の機微を推し量ることもできる男でもある。
今のお彩にとって、伊勢次の言葉はありがたかった。
「身体、大切にしろよ。居候してるからなんて妙な気がねなんかせずに、大きな顔をしてれば良いんだ」
「ありがとうございます」
お彩の胸に熱いものが込み上げた。

