この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第24章 第十話 【宵の花】 其の弐

やがて、お市の浮気は陽太の知るところとなった。お市が物陰で清五郎と抱き合っているところを陽太が何度も目撃したのだ。やがて、陽太は決定的な現場を見付ける。庭の倉で裸で抱き合う二人を見てしまったのである。この頃、先代が卒中で倒れ、再起不能となった。
突如として先代が倒れ、さしもの大店京屋もこれまでかと言われたが、若旦那となって僅か半年の陽太がその危急を救い支えた。そして、翌年、先代の逝去に伴い、陽太が正式に六代目を継ぎ、京屋市兵衛となった。
そして、六代目を引き継ぐに当たって、陽太は清五郎を首にしてやった。当人を呼びつけ、
―首になる理由は、お前にはもう十分すぎるほど判っているだろうね。真面目に奉公に精を出していたお前がまさかうちの物に手を出すとは思ってもみませんでしたよ。
突如として先代が倒れ、さしもの大店京屋もこれまでかと言われたが、若旦那となって僅か半年の陽太がその危急を救い支えた。そして、翌年、先代の逝去に伴い、陽太が正式に六代目を継ぎ、京屋市兵衛となった。
そして、六代目を引き継ぐに当たって、陽太は清五郎を首にしてやった。当人を呼びつけ、
―首になる理由は、お前にはもう十分すぎるほど判っているだろうね。真面目に奉公に精を出していたお前がまさかうちの物に手を出すとは思ってもみませんでしたよ。

