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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第13章 第五話 【夏霧】 其の弐

「おきみ」
呼びかけると、おきみの眼が見開かれた。
瞬時に戸惑い、歓び、不安と様々な感情がおきみの美しい貌をよぎってゆく。
おきみは喜六郎に向かって深々と頭を下げた。それにつられるように、隣の承平もピョコンとお辞儀をする。
その微笑ましい姿に、お彩は思わず笑った。
おきみと承平が喜六郎の傍らを通り過ぎる。おきみは、お彩にも軽く黙礼して過ぎた。
だが、喜六郎はなおもじいっと立ち往生したままであった。お彩は焦れて、喜六郎を後ろからつついた。
「旦那さん、おきみさんたち、行っちまいますよ」
その言葉に後押しされたように、喜六郎が走り出した。
呼びかけると、おきみの眼が見開かれた。
瞬時に戸惑い、歓び、不安と様々な感情がおきみの美しい貌をよぎってゆく。
おきみは喜六郎に向かって深々と頭を下げた。それにつられるように、隣の承平もピョコンとお辞儀をする。
その微笑ましい姿に、お彩は思わず笑った。
おきみと承平が喜六郎の傍らを通り過ぎる。おきみは、お彩にも軽く黙礼して過ぎた。
だが、喜六郎はなおもじいっと立ち往生したままであった。お彩は焦れて、喜六郎を後ろからつついた。
「旦那さん、おきみさんたち、行っちまいますよ」
その言葉に後押しされたように、喜六郎が走り出した。

