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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第42章 第十五話 【静かなる月】 其の四

お彩が眼を瞠ると、浅助は破顔した。
「それそれ、その眼だ。私がお前をひとめ見て、うちに抱えることに決めたのは、その眼のせいさ。凛と張った涼しげな眼―、こんな眼をした女を私はたった一人だけ知ってる。咲花(さくはな)太夫といって、お前さんも名前くらいは聞いたことがあるかもしれめえが、私の親父が楼主を務めていた代に、うちの見世でお職を張っていた花魁さ。全く、大見世の花魁にも引けを取らないほどの、いや、それ以上の花魁だったよ」
「そういえば」と、おしがが手を打った。
「この妓(こ)を初めて見た時、どこかで逢ったことがある―、もしくは、あっちがよく知ってる誰かに似ていると、咄嗟に思ったもんですけど、旦那さま、この妓は咲花さんに似てますねえ」
「それそれ、その眼だ。私がお前をひとめ見て、うちに抱えることに決めたのは、その眼のせいさ。凛と張った涼しげな眼―、こんな眼をした女を私はたった一人だけ知ってる。咲花(さくはな)太夫といって、お前さんも名前くらいは聞いたことがあるかもしれめえが、私の親父が楼主を務めていた代に、うちの見世でお職を張っていた花魁さ。全く、大見世の花魁にも引けを取らないほどの、いや、それ以上の花魁だったよ」
「そういえば」と、おしがが手を打った。
「この妓(こ)を初めて見た時、どこかで逢ったことがある―、もしくは、あっちがよく知ってる誰かに似ていると、咄嗟に思ったもんですけど、旦那さま、この妓は咲花さんに似てますねえ」

