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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第40章 第十五話 【静かなる月】 其の弐

「きいさんの身に何かあったら、あいつのせいだ」
「おとみさん、あいつって―」
お彩が急いたように訊ねると、おとみがハッと口許を押さえた。
「ねえ、おとみさんがさっき言ったのは何なんですか? 旦那さんが心ノ臓の発作を起こしちまったのは、何か大きな打撃を受けたからだって竹庵先生がおっしゃってました。おとみさんは何かを知ってるんですね?」
と、おとみは烈しく首を振った。
「駄目だよ。私は、きいさんと約束したんだから。誰にも言わないって、あの人に約束したんだ」
顔を背けようとするおとみの前に回り込んで、お彩は懸命に言った。
「おとみさん、あいつって―」
お彩が急いたように訊ねると、おとみがハッと口許を押さえた。
「ねえ、おとみさんがさっき言ったのは何なんですか? 旦那さんが心ノ臓の発作を起こしちまったのは、何か大きな打撃を受けたからだって竹庵先生がおっしゃってました。おとみさんは何かを知ってるんですね?」
と、おとみは烈しく首を振った。
「駄目だよ。私は、きいさんと約束したんだから。誰にも言わないって、あの人に約束したんだ」
顔を背けようとするおとみの前に回り込んで、お彩は懸命に言った。

