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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第5章 第二話・其の弐

小巻の柳眉がはね上がる。しかし、今夜ばかりは喜六郎も容赦しなかった。
「お前は既に大和屋の嫁、この店とは拘わりはねえ。出て行けといったら、出て行け」
「酷い―!」
小巻は逆上のあまり、声をわななかせた。
「おとっつぁんがそんなことを言うなんて、信じられない。何もかも、この女のせいなのね? もしかして、おとっつぁんはこんな薄汚い小娘にいかれちまったの?」
「良い加減にしねえか、みっともねえったりぁ、ありゃしない」
喜六郎が怒りに震えながら、右手を振り上げた。
「止めて下さい、旦那さん。小巻さんは普通の身体じゃない、赤ちゃんのいる大切な身体です。もしものことがあったら、大変です」
お彩は咄嗟に喜六郎の前に立ちはだかった。背中に小巻を庇うような格好で両手をひろげて喜六郎をひたと見据えた。
「お前は既に大和屋の嫁、この店とは拘わりはねえ。出て行けといったら、出て行け」
「酷い―!」
小巻は逆上のあまり、声をわななかせた。
「おとっつぁんがそんなことを言うなんて、信じられない。何もかも、この女のせいなのね? もしかして、おとっつぁんはこんな薄汚い小娘にいかれちまったの?」
「良い加減にしねえか、みっともねえったりぁ、ありゃしない」
喜六郎が怒りに震えながら、右手を振り上げた。
「止めて下さい、旦那さん。小巻さんは普通の身体じゃない、赤ちゃんのいる大切な身体です。もしものことがあったら、大変です」
お彩は咄嗟に喜六郎の前に立ちはだかった。背中に小巻を庇うような格好で両手をひろげて喜六郎をひたと見据えた。

