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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第36章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の弐

「安五郎さん、もし良かったら、お店の方を手伝って頂けませんか」
数日前、突如として訪ねてきた安五郎が帰った後、お彩は喜六郎からひととおりの経緯を聞かされた。それによれば、安五郎は二十五年前、喜六郎が京都にいた砌、同じ料亭で働いていた朋輩―というよりは後輩だという。
京で奉公していた割烹が廃業したのを機に、新たな勤め先を求めて江戸に来た。幸いなことに、すぐに新しい職場も見つかったのだけれど、一半年後にはそこも店を閉めざるを得なくなったそうだ。それで、昔のよしみで「花がすみ」で雇っては貰えぬものかと喜六郎を頼ってきのだとか。
数日前、突如として訪ねてきた安五郎が帰った後、お彩は喜六郎からひととおりの経緯を聞かされた。それによれば、安五郎は二十五年前、喜六郎が京都にいた砌、同じ料亭で働いていた朋輩―というよりは後輩だという。
京で奉公していた割烹が廃業したのを機に、新たな勤め先を求めて江戸に来た。幸いなことに、すぐに新しい職場も見つかったのだけれど、一半年後にはそこも店を閉めざるを得なくなったそうだ。それで、昔のよしみで「花がすみ」で雇っては貰えぬものかと喜六郎を頼ってきのだとか。

