この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妖精王は軍人に奪われる
第5章 淫靡な一時
「………?」
その様子を眺めていたメアはすっと目を
細めると、不愉快な心持ちを表に出さぬ
ようにそのまま立ち上がって私室へと
姿を消してしまった
1人あてがわれた部屋に取り残されたアイリスは
消していた羽を再び背に具現化させると
はたと動かし、花の香りを漂わせる
視線を空にさまよわせたまま、しばし
ぐるぐると考える
ずっと、どこか上の空でいたまま時を過ごし
とうとう就寝時間になってしまった
食事の時もメアはアイリスを見つめていたが
それに気づかずに悩み通していたのだ
「……入るぞ」
静かな空に低く音が響き、扉が開いて
着崩したメアが入ってくる
ベッドに座っていたアイリスは顔を向けた後
上に上がってメアの座る場所をあける
「っ!」
しかし、メアはアイリスを抱き腕の中に
しまうと何も言わずに横になってしまった
暖かい腕の中、落ち着いた吐息にいつしか
アイリスはまぶたを降ろし、寝息を立てていた

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


