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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第29章 契約の熱

唐突すぎる再会だった。
会場の騒ぎを扉越しに聞きながらも、ミレイの目はカルロを見つめるのに精一杯だ。
「どうしてここに…」
ありきたりな言葉が勝手に出てくる。
ついさっき、迎えに来てほしいのだと恥ずかしげもなく叫んだばかりなのに。
「それにその格好は…!?」
「…、文句でも、あるの?」
硬派な黒い警官服に身を包むカルロが、被り直した帽子の隙間から彼女を見下ろす。
とにかく状況の理解が追い付かないミレイは、質問攻めで止まらなくなりそうな自分を懸命にこらえた。
「文句なんてないですけど…っ…でも」
文句はないが、疑問は山盛り。
「騒ぐようなら…ふさぐ」
「……ぇ」
「その口…──」
ひとつひとつに答えるのを面倒臭がったカルロは、問答無用で彼女を黙らせた。

