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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

思ったそばから、ミレイの腹から気のゆるんだ音が鳴ってしまった。
「…今の音、何?」
「べつに…なんでも…//」
素なのか、からかっているのか
カルロは聞き逃さず、彼女に容赦なく尋ねる。
「腹が減ったのか」
「だってもうすぐ夕御飯の時間ですし…っ」
「……あ、そ」
お昼ご飯の時は、実戦授業に向けて緊張していたから、あまり量を食べられなかったのだ。
…と言い訳をしたいところだけれど、今はぜったいにお腹を鳴らしている場合ではない。
カルロにうるさいと怒られる前に、この虫を静かにさせなければ。
グー
「五月蝿い…。そいつを黙らせろ」
ほら、怒られた。
「自分じゃどうにもできないです…//」
「さっさと食べに行くぞ」
「いやそう言われても…ッ──!? ‥え?」
今、彼は何て?
「……食べに行く?」
「ここに食い物は無いだろう…。…それとも、あんたはそのへんの雑草でも食べるわけ?」
「──…!!」
ミレイが驚くのも無理はない。
彼女はいまだ、寝転がっているカルロしか見ていないのだ。
そんな彼が初めて…寝る以外の提案をしてきたのだ。それも、ミレイのために。

