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愛しては、ならない
第7章 遊園地での賭け②




激しく脈を打つ獣は長い間私の中へと、熱い物を吐き出し続けた。



悟志は息を乱しながら私に覆い被さり、耳元で囁いた。




「俺の……可愛い菊野……愛してるよ……」



「……悟志さ……」



――私も、愛してるわ、と言うべきなのだろう。

でも、その言葉を口にしたらそれは嘘になる気がした。


悟志の事は勿論嫌いではない。


優しくて、ハンサムで、私を甘やかしてくれるパパみたいな人。


父親みたいに思っている悟志に触れられるのは、正直まだ戸惑うが、私は彼の妻なのだから、抱かれるのは当たり前の事なのだろう。


けれど……


悟志に愛の言葉を返す事が出来ない私は、いけない妻なのだろうか。

例えそう思っていなくても、言葉だけでも
"愛してるわ"
と言うべきなのだろうか。


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