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eyes to me~ 私を見て
第17章 騎士が獣に変わる夜
「アハハ。ごめんごめん」

 翔大は、頬を膨らませてズンズン歩く美名の後を追いかけてくる。

「本当にごめんって。その節は罪の無い玉子に悪いことをしたよ。いや、美名にはもっと悪かった!すいません!」

 後ろから必死な声が聞こえて、つい笑いが込み上げて来る。
 頬をつつかれて振り向くと、優しい瞳が見ていた。
 ズキンと美名の胸が痛くなる。

 ――私は、何故今こんな風に平気でいるんだろう。
 綾波さんの事で憂鬱になる筈なのに。
 でも思い出しただけでやっぱり苦しい……
 考えても、今はわからないから、どうしようもないのかな……

「美名?」

 声をかけられてハッと顔を上げた。
 美名は無意識にジャガイモと人参を手に立ち尽くしていたのだ。

「ご、ごめん。夏バテかな。ぼーっとして」

 籠に野菜を放り込み、肉コーナーで商品を見定めて居ると、翔大の手が後ろから伸びてきて額に触れた。

「うーん、熱はないか」
「……!」

 すぐに手は離されたけど、頬が熱くなって行く。


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