この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

はまじろうが、しきりに首を振っている。
「行くな、て事?」
そう訊ねると、頷く様に黄色い顔を大きく上下に揺らした。
「う―――ん……でも、もうお返事しちゃったしなあ……」
はまじろうは、激しく首を振り、腕で×の形を作って見せた。
「心配してくれるんだ?」
はまじろうは 、また頷く。
美名は首を傾げてはまじろうの頭にそっと手で触れた。
はまじろうは逃げなかった。
美名は、表情が窺えない愛嬌のある顔をじっと見つめる。
「未菜ちゃん……恋愛で悩んでるんだって……ひょっとしたら……増本さんの事なのかも……
何だか、私と剛さんの事みたいで……他人事って思えない……」
はまじろうは、何秒か動かずに美名の話を聞いていたが、また首をしきりに振る。

