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eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

つい、増本の熱意にほだされてしまった。果たして大丈夫なのだろうか。
美名は流石に疑いを捨てきれなかった。
「志村さんに……相談してみようかな……」
すると後ろから誰かに肩を叩かれた。
振り返ると、はまじろうだった。
「はまじろう……いつの間にここに居たの?」
はまじろうは、身体を捩り、何かを訴えている。
「え……?」
はまじろうは、美名が握っている手紙を見せろ、という風に手を差し出した。
「ああ……見てたの?……うん……どう思う?」
美名は、促されるままに手紙を渡す。
はまじろうは手紙を握り、まじまじと中身を確認している……多分。
顔の口の部分に僅かに穴が空いていて、通気孔と目になっているらしいが、ぱっと見た目からは全く分からない。

