この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第55章 独りぼっちの歌姫

衝動的にかけてしまったが、呼び出し音が三回鳴った時点で急に後悔に襲われた。切ろうとすると菊野が出て美名は叫ぶ。
「ひゃああ」
『……もしもし?……どなた?』
「あっ……こんな夜中に、申し訳ありませんっ!……美名です……」
『ああ……美名さん!お元気にしてた?あれから大活躍ね……美名さん達が出るテレビ、私全部録画してるのよ?ふふ……』
電話の向こうから聞こえる優しい声を聞くと、美名は今から自分がしようとしている質問をしてはいけない様な気がしてきた。
(傷付ける様な言い方をしたら、いけない……)
菊野には人にそう思わせる何かがあった。

