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eyes to me~ 私を見て
第55章 独りぼっちの歌姫




「大丈夫……大丈夫……ま、負けないもん……」

 ミュージックスタイル以来、西野とは会っていない。
 こちらは何も悪い事はしていないのだ。
 びくつく事は無いし堂々と振る舞えば良い。
 ……とも思うが、まだ美名は歌手として西野に憧れを持っていた。
 だから未だに西野が自分にした仕打ちが信じられなくもあり、余計に怖い。

(芸能界って……華やかだけど、一歩間違うと真っ黒かも……)

「ああ……夜に考え事はダメ!寝よう……羊が一匹……羊が二匹……寝れない」

 美名はバニッぴーを抱き締めたままベッドの上を転がった。

(剛さんと居た頃は眠れない事なんて無かったな……)

 ぼんやりと寝室の奥にあるピアノを見つめていると、その前に座り微笑む綾波の幻が見えてしまう。


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