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eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

「何を弱気になってるのよ……!綾波くんらしくない……
命懸けで美名ちゃんを助けたじゃない!それほどに好きなんでしょう?
愛してるなら……諦めたらダメよ!」
志村が拳を固め叫び、横から智也が静かに綾波に言った。
「……俺は、ビジネスに個人の過去は関係ないと思っている……
個人の過去なんぞほじくり出したらキリが無いからな……
誰しも人に言いたくない事の一つや二つ抱えていて当たり前だ……」
「岸さんっ……ああ……流石若くして大財閥の社長に就任しただけの大きな器をお持ちで……
あああっ素敵――!
……ハッ!ダメよ賢一!……今はイケメン社長に萌え萌えしてる場合じゃないわっ!
――綾波くん!」
志村は再び綾波に向き直った。

