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近づきたい
第3章 想いの日
「瑞穂ちゃん、美味しい?」

「はい、とっても。」

よし先輩がホッとした顔をした。どうしてかな?

「あまり料理食べてないから、美味しくないのかなと心配になったんだけど…良かった。」

「…どれも美味しいです。でも私、料理の名前とか知らないから、なんて言ったらいいかわからなくて。」

先輩を見とれていて食事が進まなかったとは言えず、半分本当の半分嘘をつく。

アハハっとよし先輩が笑って、私を見る…ちょっとショックだった。

「実はオレも!初めて来た時、ちんぷんかんぷんでさ。あまりの訳のわからなさでパニックになってたら、あの店員さんが全部教えてくれたんだ。」

よし先輩が目を向ける方に40代くらいの男性の店員さんがいた。

「それ以来、ちょっと常連。ここ何でも美味しいからね」

よし先輩が常連だというお店に連れてきてくれた…また嬉しくなって、笑顔になった。

「いらっしゃいませ。よし、今日は可愛い女性連れてご来店とは…誠にありがとうございます。」

ちょっと前まで違うテーブルで接客していたさっきの店員さんが私たちのテーブルでよし先輩に声をかけた。なんか親しい感じなのに丁寧な挨拶にちょっと笑ってしまう。

「まあね、今日は可愛い女子高生とランチにお邪魔しました」

よし先輩がやっぱり親しげに店員さんと話をする。

店員さんがちょっと驚いた…やっぱり不釣り合いかな。

「女子高生とは…よしにはもったいないな」

店員さんがアハハと大きく笑って、ごゆっくりと会釈をしてテーブルを離れた。
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