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第14章 本心

茜とおるのは楽しい

話してんのも
好きや

せやけど


俺は
言いたいことの
半分も言えへんように
なってることに気づいた



こんなこと言うたら
茜が引くかもしれへん

とか

茜が悲しむかもしれん

とか

茜が
悩んでしまうかもしれへん

…とか


そればっかりが
頭の中を駆け巡って
言葉に出す前に
ほとんどの言葉を
飲み込んでしまってる


どれが
茜への優しさで

どうすることが
茜を大切にしてることで


何を言うたら


「普通」なんか


…分からんようになってしもうてるんや