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先生、早く縛って
第36章 本気と勇気

だからなの? 先生……
だから私に何も言わずに行ってしまったの?
無期限とは言っても、ただ決まっていないというだけですぐに帰ってくるかもしれないし……と石塚さんは一生懸命慰めてくれていたけど……でも……
終業式も終わり、心配する里美ちゃんと神谷くんに先に帰ってもらった後……ほとんどひと気のなくなった校舎内を歩いて私は理科室に行った。
先生との思い出がいっぱいの理科室……でもここにはもう先生はいないんだ。
そこで私は鞄の中から包みを取り出した。
その中には、先生と一緒に開けようと思ってまだ中を見ていない……「愛奴隷」が入っている。
そう、昨日家に帰ったら、なんとあのSM雑誌の編集部から返事が届いていたのだ。
一緒に入っていた名刺を見ると、差出人はなんと編集長で……そういう人って男の人だとばかり私は思っていたけど、それは女の人で。中には一冊の「愛奴隷」と、お手紙が入っていた。
何度も読み返した長い長い手紙の最後の部分を読み返す。

