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第17章 【番外編3】泣いて甘えて。

だけど、自分は看護師だ。
感情任せに行動できない。
平塚さんのあの態度や大声も、疾患が絡んでいる。
「ちょっと失礼します」
ナース室に戻り、不穏時の指示に内服する薬を出し、また平塚さんのもとに戻る。
「平塚さん。気分が落ち着くお薬です、飲んでください」
少量の水で内服してもらい、静かに退室すると、30分程であの大声が嘘のように静かになった。
そっと訪室すると、平塚さんは寝息をたてていた。
（…疲れた）
そのまま他の病室を巡視し、自力で体の向きを変えられない男性の体位変換しようとした時だった。
「夏川さん、体の向きが変わりますよー」
小声で伝え、夏川さんの体の向きを変えようと体に触れると、思いきり手を叩かれた。