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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第12章 梅雨の終わり
「……若葉」
しゅーちゃんは壁から体を起こしてこっちを向いた。
表情が乏しくてクールだと騒がれているけれど、最近俺を見る目は柔らかい。
「ごめんね、委員会が長引いちゃって。苺香との待ち合わせ、間に合うかな」
「別に、待たせとけばいーだろ」
「しゅーちゃん……」
外に出ると、夏の陽光が目を焼いた。
予定より遅れてしまった時間を取り戻すべく、俺は走り出す。
「ほら、しゅーちゃんも早く!」
しゅーちゃんは渋々といった表情で俺についてくる。
梅雨が始まる前から変わらないもの。
梅雨と同時に終わったもの。
俺たちはじゃれあいながら、夏空の下を駆けて行った。
しゅーちゃんは壁から体を起こしてこっちを向いた。
表情が乏しくてクールだと騒がれているけれど、最近俺を見る目は柔らかい。
「ごめんね、委員会が長引いちゃって。苺香との待ち合わせ、間に合うかな」
「別に、待たせとけばいーだろ」
「しゅーちゃん……」
外に出ると、夏の陽光が目を焼いた。
予定より遅れてしまった時間を取り戻すべく、俺は走り出す。
「ほら、しゅーちゃんも早く!」
しゅーちゃんは渋々といった表情で俺についてくる。
梅雨が始まる前から変わらないもの。
梅雨と同時に終わったもの。
俺たちはじゃれあいながら、夏空の下を駆けて行った。

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