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第23章 対峙する心

私が話を切りだそうとしたその時、片桐さんが後ろから私をグイッとその胸に抱き締めた。


「ゆっ豊さん、やめて！」


思わず大きな声が出てしまう。
いきなり急に抱き締められて。片桐さんの胸にグッと背中が押し付けられる様なそんな体勢。

私の腕ごと抱え込むようにして回されたその長い腕は、まるで私を縛る鎖のようで。

私は身じろぎをして、そう腕から。縛りつける鎖から逃れようとしたけど。
私の躯を強く抱き締めるその腕を上手く振り切る事が出来ない。


―――嫌‼


このままじゃ昨日と同じになってしまう。
ちゃんと言葉で気持ちを伝えなきゃならないのに……！


片桐さん、無理強いしないって言ったよね。なのに。
…なのに、なんで？


片桐さんのこと、信じていたのに…。
こんなの酷いよ。