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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

片桐さんが私にプレゼントしてくれた青いワンピースや、勧められた髪型やその他の些細なこと。
すべてはみんなこの写真の女性のイメージだった。
―――その身代わり。
色んな事が。
片桐さんのその私に対する態度や時折垣間みせる哀しい瞳のそのわけが。
そのひとつひとつの点が、線になって繋がる。
じゃあ、あの優しさは嘘だったのかな。
笑わせてくれた片桐さんとのお喋りを思い出す。
片桐さんは私のことなど初めから、好きでもなんでもなくて。私を亜子さんのかわりにしたかっただけなの?
私は最初から亜子さんの偽物だったのかな。
みんな――マガイモノだった?
真くんが好きな私に、亜子さんを思い続けている片桐さんのことを責める資格、なんて無いんだ。
なのに。
それは何となく解っていたことだったけれど。
頭で考えていた時はそんなに深くは思わなかったその事実を目の当たりにした私は、やはりショックで。

