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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

息ができなかった苦しいファーストキス。
それと共に。
思い出された、その舌の感触――。
昨日、片桐さんがはっきりそう口にした言葉。
この部屋に入るってことは―――そんな意味も持つということだと思う。
でも、私はそれをやり過ごす術なんか持っていなかった。
「ん?紫乃、どうした。早く入れば?」
玄関先で思わずうつ向き、自分の動かない足に視線を向けた私に片桐さんが声を掛ける。
その声を聞きながらも、まだ動けないでいる私がいる。
「……ふっ。警戒してるんだ?」
「‼」

