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第23章 対峙する心

―――人と少し違う。


それは個性だと人は言うけれど。
背か高いのが個性なら、そんな個性なんか要らない！私はずっとそう思ってきた。

自分が好きになれない私は、自分に自信が無くて。
どうしても周りに合わせてしまう。価値観を他人に委ねてしまいがちで。

周りが決めてくれることを受け入れてしまうことばかりな私は―――。

自分から否定の気持ちを口に出すのは得意じゃない。

でも、別れ話が得意な人なんていない筈だもの。
付き合う時は私はそれを言い訳にした。
真くんが好きな気持ちに蓋をして、片桐さんからの優しい言葉に飛びついてしまった。

だから。
自分のコンプレックスを言い訳にしないで、私の片桐さんに対する気持ちをキチンと口にすることが、
私を彼女に選らんでくれた、片桐さんへの誠意だと思う。