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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

片桐さんのアパートの前で車は停まり、私達は降りて、片桐さんの部屋へ向かう。
――カンカンカン…
階段を昇る足音がやけに耳について、余裕が無い私の気持ちを煽る。
―――どう、切り出したら良いんだろう。
「別れて欲しい」その言葉を。
自分の片桐さんに対する気持ちを口にしなくちゃ、前には進めないのは、解ってる。
早く言わなきゃ…私の心はそう言っていた。
小さい頃から身長が大きかった私は、幼稚園の頃から良い意味でも、悪い意味でも目立つことが多かった。
ううん。悪い意味の方がきっと多かったと思う。
ウドの大木。
そんな雰囲気の中で迎えた思春期は、私を引っ込み思案にさせるものでしか無かった。
男子が望む女の子にはなれない自分がいた。

