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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
 トスは握り拳を固め、前に突き出して見せる。それが口だけなのは判っていた。トスはよほどのことがなければ、握り拳を使ったりはしない。トスがいつも愛用の長剣の手入れを怠らないのは知っていたけれど、現実に抜刀した試しはないのだ。
「おい、キョンシル。そなた、俺が冗談で言ってると思ってるだろう? だが、それはとんだ見当違いだぞ。そなたの連れてくる男に対してだけは、俺は情けも容赦もない」
 そこでトスは苦笑いを浮かべた。
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