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遠回りしたけど
第3章 突然の
その背中を見送り
「うん」
と言うと、大輝が急に振り返った。
「ん?忘れ物?」
立ったままでいたわたしの目の前に来ると
わたしの頬に手を添えてきた。
大輝がわたしを見下ろしていて
だんだんと顔が近付いてきた。
それはスローモーションのように感じたのに
全く動くことなんかできなくて
少しカサついた大輝の唇が、わたしの唇にそっと触れた。
真っ赤になった大輝が
「じゃあ」
ともう一度言うと、部屋から出て行った。
わたしは顔に熱を感じたまま、その場に崩れ落ちた。
「お邪魔しました!」
「おう、またなー!」
「大輝くんまた遊びに来てね!」
開けっ放しだったドアから階下の会話が聞こえたけど
初めてしたキスのせいで
ドキドキとした体を自分で抱きしめたまま
その場から動けなかった。
【第3章 END】

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