この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
遠回りしたけど
第10章 ちょこっとおまけ◇大輝side
そうだ、なおがいない時間に行けばいい。
なおが居た教室だけでも見たい。
同じ学校にいるんだから、いつだって会える。
会えたら、その時考える。
放課後になると、みんな部活に行ったり下校したりで、教室に人気がなくなる。
姉ちゃんに聞いた教室に行くと、そこに人影があった。
ベランダに一人、部活をしている様子を眺めているようだった。
その後ろ姿に俺は釘付けになった。
誰かなんてすぐにわかった。
それはずっと会いたかった人だから。
「なお」
気付いたら名前を呼んでいた。
彼女は少し肩をびくりと上下させ、ゆっくりとこちらを振り返る。
「なお・・・会いたかったよ」
今すぐにでも謝りたかった。
好きだと言って抱き締めたかった。
でも素直になるのが怖い。
だから、これからゆっくりでもいいかな。
俺はお前が好きだって、いつか必ず言うから。
俺以外の誰かと付き合うなんて、許さないから。
だって、
「なおは俺の彼女だろ?」
ずっと好きだった。
遠回りしてやっと捕まえた。
「なおが昔からずっと、好きだよ」
【END】

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


