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遠回りしたけど
第8章 大事にされるって
部屋の前から立ち去ろうとすると
「なお!ちょっと来て!」
と、大輝の声が聞こえる。
恐る恐るドアを開けると
昨日寝る前に着ていた服を着た大輝が
ベッドの横に立っていた。
「どうしたの?」
大輝に近付くと、不安そうに眉を下げた顔の大輝。
「・・・血」
「えっ!?大輝どこか怪我したの!?」
傷は見たくなかったけれど
大輝の腕や足を一瞬でチェックする。
「そうじゃなくて・・・シーツ・・・」
大輝の指を指した先を見ると
そこには少しだけ赤茶色のようなシミがあった。
初めてって血が出るっていうけど
本当に出るんだ!?
わたしのだよね!?
「ご、ごめんね!」
ベッドからシーツを剥ぐと
それをくるくると丸めた。
「洗濯機借りるね!?」
何度も泊まりに来たことがあると言っても
洗濯機を借りるのは初めてのことだった。

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