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LowとChaosの間…
第22章 勇者vs英雄
魔王紅蓮率いる黄泉軍のテロを鎮圧後、皇女雪香を娶った紫苑誠は皇族の血を引く世継ぎが産まれるまでの間、貴族、国民の圧倒的支持に擁立され天津帝国皇帝となった。
ジャスティスでの戦いを知る国民は彼を英雄王と称える。

二川は内務卿と兵務卿を兼務し、皇帝と同序列の公爵となった。
異例中の異例だが、二川は部下に兵務卿の座を譲ると進言し、一時的に公爵が認められたのである。

-内務省-
「公爵よ、天津国民は大八島の全妖魔を殲滅することを望んでいる。陸軍の協力を要請する。直ちに―-」
紫苑皇帝が二川卿に言う。第二の魔王が現れる前に妖魔を絶滅させるのが狙いであった。滅ぼせば二度と争いは起こらないというのが彼の考えである。
だが、皇帝は制止された。
「軍は妖魔殲滅に協力しない。天津国民たる妖魔を何故に殲滅するのか?」
内務卿となっても軍服でいる二川も紫苑に言う。
ほとんどの伯爵位は妖魔殲滅に反対している。利益がなく、金と時間、人員を割かなければいけない。
それ以前に北西のロージア連邦がユグドラシル大陸を南下して大八島に接近しているというのにだ。ロージアはこの母なる地球ガイアの救済を掲げて進軍する軍隊だ。ガイアの病原菌である人間の殲滅のためにだ。自らも人間だというのに。
「その前に……貴様、海軍の一部や警察を私兵化しているそうだな?」
二川の言葉に周囲が反応する。皇帝に対して彼は力強い物言いであったからだ。
ふん、と鼻を鳴らし諦観の表情で紫苑は身を翻した。
「家格低い部下を兵務卿にしようとしているらしいな。だが、皇帝として次期伯爵位となる人物に会っておこう」
と言って、皇帝は内務省を後にした。

「……大佐に報告しろ」
皇帝が退出して間もなく、内務卿は軍属の部下に命じた。




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